空の上に、北風と太陽が住んでいました。 ある日、北風が自慢しながら言いました。 「おれが一吹きすると、どんなに大きくて丈夫な家も吹き飛んでしまうぞ」 それを聞いた太陽は、大笑いして言いました。 「ははは・・・。ただ力だけ強くても、何の得にもならない。その力をどう使うかが大切なことだ。ははは・・・」 太陽の言葉を聞いた北風は、悔しくて仕方ありなせんでした。 ちょうどその時、一人の旅人が、彼らの下を通りかかりました。 それを見た太陽が北風に向かって言いました。 「そんなに自分の力に自信があるのなら、ちょっと力比べをしないか?」 太陽が続けて言いました。 「その旅人のコートを最初に脱がせた方が勝ちというわけさ。」 「ははは。コートを脱がせるぐらいは朝飯前さ。」 北風は自信満々に答えました。 そして、北風は旅人の方に近づき、力いっぱいに風を送りました。 「なんだよ。急に風が強くなったなぁ」 旅..